Q&A 4
 

Wさんからのご質問

日本酒はなぜ焼酎やビールになかなか勝てないのでしょうか?
それと、日本酒の造り方で、疑問なことがあるのですが、
生貯蔵酒と生詰酒と生酒の違いと品質保持期限はいつまでなのでしょうか?
あと、もう一つ日本酒は体によいのでしょうか?
もし体によいのでしたら、その効能とかを教えてください。

あさかの里 疏水紀行の醸造元の渡辺酒造本店さんにお答えいただきました。

私なりの意見で回答になるかどうかわかりませんが、とりあえず書いてみました。
日本人の食生活は戦後すさまじく変化しました。菜食中心から欧米型の食生活へ。また肉体労働から精神労働の方向へ。これらのためアルコールの摂り方も大きく変化し、ヘビーアルコールからライトアルコールへ変化してきました。日本酒は現在のアルコール種類の中で、どちらかといえばヘビーな方へ入ってしまったのが現状です。また蔵元の数が多いのも特徴で、ビールメーカーのようにほぼ4社の独占状態とは違い単価のコストダウンもなかなかうまくいっておりません。食管法の問題も大きく関係しています。焼酎との大きな違いは好きなように水またはお湯で割って飲む習慣にはなっていないため、この部分も消費にブレーキをかけている原因になっております。
しかしながらそうもいってはおれません。生酒や低アルコール酒など飲み口がやわらかい酒の開発、商品化を積極的に進めております。日本酒の良さを生かしながら現代社会にマッチした酒質へと変化させている、ちょうど今変換期だと思っております。期待してください。どんどん美味しく手軽に飲める様に努力してまいります。
生貯、生詰、生酒の違いですが、おおまかに下記のようになると思います。
*生貯・・・
生酒を出荷の際火入れし、瓶詰めしたもの。冷蔵保管で一年程、常温保管で6ヶ月程が品質保持期限かと存じます。
*生詰・・・
一度火入れした酒を瓶詰めの際そのまま詰めたもの。冷蔵保管で一年程、常温保管はあまりお勧めできないかと思います。
*生酒・・・
火入れ(加温殺菌)をいっさいしないで瓶詰めし出荷したもの。冷蔵保管で一年程。常温保管はしないでいただきたいと思います。(冷蔵保管温度約5℃、常温保管温度約20℃とみての考えです。) 
日本酒には各種の成分が溶け込んでおりまして、体機能維持機能があると言われています。ただし、あくまでご自身の体にあった飲酒量でのお話ですので、飲みすぎた場合が続くときはアルコール本体としての副作用的影響がでますので、適量適酒を心がけいただければ、最大限の日本酒の効果があります。
くれぐれも体調に合った飲酒をお願いしていただきたいです。
日本人は古来から米を食べ生活してきました。遺伝子の中に米から栄養を摂り、体を作っていく情報が欧米人に比べ多く入っております。日本酒は米から造りますので、おそらくわれわれ日本人には最もよく合う、体になじむアルコール飲料と思っております。
これからもおいしい日本酒を造っていきますので、よろしくご愛飲の程お願いいたします。

2004・2・26 (有)渡辺酒造本店 渡辺康広

 
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