Q&A 4
 

Wさんからもう一つご質問

昔、どぶろくというお酒があったと聞きましたが、
なぜ今はどぶろくお酒?がないのでしょうか?
あと、古酒は、自分でお酒を買ってきて、
造ることは可能なのでしょうか?
普通酒、吟醸酒、純米酒・・・etc
どのお酒で造ってもおいしい古酒が造れるのでしょうか?
ワインやウィスキーなどは100年とかあるけれど、
日本酒は何年ぐらいまで寝かせておけるのでしょうか?

あさかの里 疏水紀行の醸造元の渡辺酒造本店さんにもう一度お答えいただきました。
渡辺酒造本店の渡辺です。
知りうる範囲でお答えいたします。
どぶろくはもともと酒のもろみのことを指しています。もろみとは発酵段階のまだ搾られてない白濁した状態のものを言います。昔は透明な酒に搾るための技術も装置もなかったので日本酒はすべて濁ったまま飲まれていました。明治にはいり、搾り装置が開発され今のような透明な酒になるようになりました。いわゆる清酒(清く澄んだ酒の意味)です。明治時代に酒税法が確立され、当時の政府から、もろみ状態のいわゆるどぶろくの出荷は厳しく規制されるようになりました。なぜなら国税の約30〜40%程度を酒税がしめていたためです。明治時代の日露戦争は酒税を資金源に勝利を収めたといわれるぐらいです。ですが必ず法の隙間をぬって造るひとはいつの時代もいまして、普通の麹と食べる普通の米を使って密造(実際には違反行為)され、地下ルートで動いていたようです。これが俗称「どぶろく」と呼ばれて現在まで残っているようです。つまり搾らずそのまま濁り酒のまま酒税を払わずのまれていたものということになります。現在どぶろくを正式に製造してよいのは、国税庁や税務署から特別に許可を受けた神社(御神酒や神社のお祭事で使用するために)や新しく設定されたどぶろく特区だけとされています。限定されています。(緩和はされつつあるようですが・・・。規制がありますのでよく理解し法律は守りましょう。)
古酒は年数をかさねたぶんだけ、日本酒の味の可能性を広げてくれます。おいしくもなればまずくもなります。注意点は、熟成させて決して腐らせないこと!です。生酒の熟成、火入れ酒の熟成、吟醸、純米などそれぞれに違うベクトルで熟成していき古酒のあじわいになっていきます。温度帯も重要です。0℃、5℃、10℃、15℃、20℃が適当ですが、同じ酒でも温度帯によってまた時間によって違う方向に進みます。いろいろ試してみてください。楽しいですよ。私のお客様の例を紹介いたしますと、新酒の生酒の720ml・5本を毎年一月に私の蔵元に買いにこられ、自宅で熟成させるそうです。(10℃の保冷庫を買ったそうです。)そして3月の節句に1本、6月の結婚記念日に1本、中秋の名月に1本、お正月に1本開封し飲んでおられていまして、そして毎年残りの1本をビンテージとしてとっていき、ご夫婦で古酒を楽しんでいらっしゃいます。とても素敵でしかも粋ですよね。かっこよく古酒を楽しんでるなあと思います。
是非、いろいろと試してみてください。
古酒造りにルールはありません。
こちらとしてもその結果を数年たって教えていただきたいです。   以上です。

(重ねて申しますが、腐らせないように注意してくださいね。・・・・・・・)

2004・2・28 (有)渡辺酒造本店 渡辺康広  

 
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